秋川牧園へようこそ
STORY #2
2008年 中途入社
品質管理室 課長
入社後、製造部で品質管理業務を担当。2010年から品質管理室へ。主に工場の管理・監査と検査業務補助(食品検査・放射能測定)を担当。
こうへいくん
のびのびとした環境で暮らし、子育てをしたい。
第一子を授かったタイミングでSEとして約10年間暮らした都会を離れ、奥さまの実家である山口へ。その決断に迷いはありませんでした。
「もともと地方都市に住みたいと思っていたので、ようやく大義名分を得たなと。でも一度都会を経験したからこそ、どんな生き方をしたいのか明確になったとも思います。」
岡本は愛媛のみかん農家の生まれ。幼い頃から農業を間近で見てきました。
「記憶の中の両親はずっと働いていました。農薬にも気を使っていて、家族が食べるものは自宅の畑で農薬を使わずにつくっていました。“虫が死ぬ薬なんだから人間に良いわけない”という父親の言葉が今も印象に残っています。」
秋川牧園に惹かれたのは、そんな原体験もあったからだそう。自分自身も父となった今、こうへいくんに伝えたいこととは。
「秋川牧園で働いていると、父親のことをよく思い出します。食を職業にする裏側にある苦労や想いが重なるからでしょうか。こうへいにも、いつも食べている商品が自分の手に届くまでに多くの人の努力があることを知ってもらいたいです。」
OSABA FARM
期待と少しの緊張が入り混じったこうへいくんと、まず向かったのは『小鯖農場』。ここでは約4万羽の若鶏が育てられています。
こうへい 「鶏見るの初めて!」
岡本 「他のところでは、ここの倍くらいの鶏を窓のない鶏舎で飼育しているんだぞ。」
開放型鶏舎や無投薬飼育、安全安心な餌※。鶏にとって、食べる人にとってより良いことを追求した飼育方法は、徹底した衛生管理や細やかな気配りが欠かせません。特に気を使うのが温度管理です。
小林 「暑さや寒さは鶏にとって大きなストレス。窓が大きく開くため自然の影響を受けやすい開放型鶏舎は、季節や天候に合わせた細かな調整が必要です。ファンを回したり水を撒いたり、人工的な冷暖房は極力使いません。」
明るい鶏舎で自由に動き回る鶏は、のびのびとして健康。運動量が多いため、質も良くなります。
※飼料はすべて分別生産流通管理をされた原料を使用、トウモロコシはポストハーベストフリー
(作物を収穫後、海外から輸送する際に虫害やいたみを防ぐための農薬を使用しないこと)。
YUME FARM
「スナップエンドウだ!」大の野菜好きだというこうへいくんが見つめるのは、直営農場『ゆめファーム』。農薬を使わずに年間50品目以上の野菜を育てています。
村田 「ハウスも加温をしないので、育てるのは季節の野菜だけ。化学肥料も使っていません。だから土地を知ることが重要なんです。」
水はけや土に含まれる成分は、同じ畑でも場所によって微妙に違います。それを見極め、適した野菜を植え、必要な肥料や水を与えるのは積み重ねてきた経験があってこそ。
岡本 「農薬を使ってないから、採ってそのまま食べられるんよ。」
こうへい 「甘くておいしいね。」
村田さんが野菜を作るときに考えるのは、食べてくれる人の喜ぶ顔。苦労は多いけど、自分でも食べたいと思えるものを作って皆に食べてもらいたい。そう語ってくれました。
PRODUCT FACTORY
締めくくりは2つの製造工場です。
岡本 「『ミートパックセンター』はパパが秋川牧園に入って初めて仕事をした場所なんよ。」
こうへい 「へぇー!」
秋川牧園のすべてのお肉はいったんここに届けられ、計量・パック詰めをしてお肉として販売するもの、冷凍食品などに加工するものなどに仕分けていきます。
石丸 「お肉は切り分けられた状態で届きますから、それを組み合わせて決められたグラム数に計量するのは簡単ではありません。でも細かく切って調整することはなるべくしないんです。きれいな形で届いた方がお客さまはうれしいでしょう。」
自分の手がけたものを待ってくれているお客さまがいる。『ミートパックセンター』での仕事は、岡本にとってその実感をもたらしてくれたものでもありました。
次は秋川牧園の台所『冷凍食品工場』へ。
柏木 「秋川牧園の加工食品には人の手が欠かせません。例えばお肉の切り方でも、商品ごとにもっともおいしくなるようそれぞれ変えていますから、機械では対応できないんです。」
原材料への安心安全も徹底されており、調味料に至るまで産地や製造元を特定したものだけを使っています。
柏木 「味付けは家庭にあるような“さしすせそ”が基本。専門の調味スタッフがすべて工場内で調合しています。」
根底にあるのは、お父さんやお母さんが家族に料理を作るのと同じ気持ちです。
初めて訪れるお父さんの会社に興味津々だったこうへいくん。想いは伝わったのでしょうか。
「よろこんでいました。どうやった?って聞いても、うん、良かったって、あっさりしてますけどね(笑)」
きっとそれは照れ隠し。学校給食で秋川牧園の商品が出ると、お父さんの会社だと自慢しているのだそう。
「うちの家族はみんな秋川牧園の商品が好きなんですよ。おいしいって言ってもらえると、でしょう!って誇らしく思います。」
それは前職では得られなかった“働く実感”だといいます。
「食の仕事は、その仕事の価値をすぐに感じることができます。自分の手がけたものを家族や周りの人に触って、食べて、理解してもらえる。だから大切な人に自信を持って食べてもらえる商品作りをしたいと思っています。」
かつて自分自身が父親の背中を見て育ったように、こうへいくんもまた、そんなお父さんの生き方に何かを感じているのかもしれません。