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企業の社会的責任(CSR)とは?
就職活動をしているとよく出会う「CSR(企業の社会的責任)」という言葉。
今日は企業の社会的責任とは何なのかを考えていきたいと思います。
1.企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility;CSR)
組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)からの要求に対して、適切な意思決定をする責任のこと。
よくCSRとは社会貢献だと言う人がいますが、それは少し違います。
なかなか難しいですが、簡単に言えば会社に関係するすべての人が幸せになれる経営をすることだと思います。
2.社会に対するインパクトをゼロに
あの『もしドラ』で有名なピーター・ドラッカーはCSRについてこう語っています。
「社会に対するインパクトをなくす。できればゼロにする」
良いことであれ、悪いことであれ、社会に与える影響は極力小さくしなければなりません。
これはどういうことでしょう?
新人研修では、CSRについて理解を深めるため、新入社員に以下の質問をしました。
「当社が社会に与える影響を良いこと、悪いことを含め、できるだけ多く挙げてください」
それに対して、新入社員からは以下のような答えが返ってきました。
■いい影響
・安心安全な食づくり
・添加物をなるべく使わない
・有機農業、無投薬飼育
・循環型農業
・地域の雇用
■悪い影響
・二酸化炭素の排出
なるほど秋川牧園は社会に良い影響をたくさん与えているいい会社ですね。
ところが、ドラッカーは良い影響、悪い影響も含めて社会に対するインパクトをゼロにしなければならないと言っています。
こう考えると分かりやすいでしょう。
例えば、秋川牧園が良いと思ってやっていること(安心安全な食づくり、有機農業、無投薬飼育)は
他方、慣行農法や慣行飼育をしている方々から見れば、「自分たちのビジネスを邪魔する存在」でもあるのです。
つまり、自分たちが良いと思っていることは決して他から見ても良いというわけではないのです。
そう考えると、「A社は△△だけど、うちの会社は〇〇だから、素晴らしいんです」という商売はCSRの観点からはあまり良いとは言えませんね。
これはよくやりがちなのですが、他を落として、自分を高く見せる商売は業界の発展からみるとプラスマイナスゼロにしかなりません。
3.「お客様の利益=企業の利益=従業員の利益」
もちろん二酸化炭素の排出や事業に伴う負の影響に対しても、企業はしっかりと対応していかなければなりませんし、それはお客様や取引先、従業員に対しても同じです。
お客様の不利益になることはしていないか、取引先に対して不利益になることはしていないか、従業員に対して不利益になることはしていないか。
企業側は常にこれらのことを考え続けなければなりません。
私たちが事業を続けられるのは、関係するすべてのステークホルダーの存在のおかげです。
「お客様の利益=取引先の利益=行政機関の利益=地域社会の利益=株主の利益=従業員の利益=企業の利益」
これこそが真の顧客志向であり、企業の社会的責任と呼ばれるものではないでしょうか。
4.最後に
企業は自社だけで事業が成り立っているわけではありません。
地域住民の理解だったり、お客様や取引先の存在、そこで働く従業員など、様々な人々の人生に関わっています。
自社の活動で関係するすべての人が不利益を被らないよう、そして全員が幸せになれるよう努力していかなければいけません。
就職活動を進める中で、「この会社はCSRのことを理解しているかな?」という観点で企業研究を進めることも大切ですね。